馬の頭の走り書き

書いているケモノ小説(BL含む)のこと。あるいは、たまに読書日記とかプログラミングとか。

神はパズルを振らない

あれ? 神のさいころが解けない? 融けない?
久しぶりに登場、スバルです。
立て込んでおりましたが、一段落ついたので、たまっていったことを書き垂らしていこうと思います。
(書き垂らす:「書き散らす」のくだけた表現。[出典:『大事燐・第二版』]

れいてすとな、読んだ本はこれ。
機本伸司『神様のパズル』
とは言ってももう一週間前のことになりますが。
ちょっとうろ覚えですが。
でも書きます。


大学4年生、就職危うい主人公が宇宙と米を作るために奮闘する話。
いや、間違ってないもん! 「宇宙を作れるか」という命題を中心に進むし、でもちゃんと稲の世話も主人公がしてるもん!
稲の方も、ストーリー上かなり大きな役割を果たします。
メインストリームは、引きこもってる超天才少女を引っ張り出そうとしていたら、宇宙創生の可否をめぐる討論に発展しちゃいます。
ヒロインの少女は冒頭で、人工生命のプログラムを動かしていますが、それをとても複雑にしてシミュレーションを繰り返します。

本書で繰り返し出てくるのは、「光はなぜ光速なのか」「質量とエネルギーはなぜ等価か」といった、現在の物理学や宇宙論の根っこにある、当然とされていることがらに終始疑問を投げかけます。
言われてみれば、なんでだろうと改めて思うことです。
はじめて知ったときは意味が分からなくて考えてしまいますが、何度も聞くうちに「そういうものなんだ」と割り切ってしまう。
そこに切り込んだ発想で、宇宙創生仮説や超大統一理論を浮かび上がらせます。
が、それだけでおわらないのがおもしろいところ!

少しラストがうやむやというかあっけない感じもありますが、想像の余地が残されていていい余韻を与えてくれます。


というわけで、意外に覚えてた!
そんな本のお話でした!