馬の頭の走り書き

書いているケモノ小説(BL含む)のこと。あるいは、たまに読書日記とかプログラミングとか。

微熱と手をつないで

今日読んだ本はこれ。
松本隆『微熱少年』

青春小説です。
1960年代を生きる16歳の少年がバンドメンバーとやってきた海辺での出会いをはじめ、年上の女性への恋、友人の音楽での成功、実らない恋、孤独感や将来の不安が描かれています。
年上の女性との出会いによって、どこか浮きあがったような孤独を知り、それがなくなった世界を知る。
その女性はじつはフィアンセがいて、主人公は身を引く。

友人は“歌謡曲”のバンドへオーディションに行き売れっ子になるが、主人公はうらやむと同時にやりたいことをねじ曲げてまで有名になりたいとは思わない。
親友はその友人と主人公を比して、「おまえは音楽に対しても純粋だ。おれはそういう風にはなれない」といいます。
アマチュアバンドコンテストなどに出ながら、けんかをし、恋をする。
ビートルズが来日し、そのコンサートで恋人の浮気(正確には少し違うのかな)を目撃、恋の終わりを理解します。
最後ぽつりとこぼれるせりふはまさに未来への不安や希望、恐怖がないまぜになったものかな、と思いました。
とまあそんな感じ。

前知識なしで読みましたが、著者は有名な作詞家さんなんだそうですね。
青春小説は小さくも鋭く輝いていて、自分のことと比べないようにするのが大変。
どんなに流されない考えを持っていても人間は相対判断しかしないですからね。
気に入ったので、中古でも文庫を買いに走ろうかな。
little blueもこれくらい青春していて、胸がしまるような切なさが出せたらいいなとおもいます。

で、実際電車で読んでる方の本は、ブラッドミュージックの2/3の厚さにもかかわらず、しかももう4日も読んでいるのに、まだ半分も読めていない始末。
読んでいないのじゃなくて単純に数学的な概念が炸裂していて、ページをめくるどころか何度も振り返り読み直しています。
まぁ、あと2日くらいしたら何とかなるんじゃないかな!

『メトロ』でも聴きながら書きます。
それでは。